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「真の美しさとすこやかさ」をもたらすYON-KAな人々 エッセイスト〜中野 香織さん②

ファッションという切り口で時代を読み解き、研究を続けられてきた中野香織さんに、「大人の美」についてインタビューさせていただきました。ファッションだけでなく、映画や香り、アートについても造詣が深い中野さんが追求する「美しさ」とは。


「1時間の美」を大切にしている


―― 本質的なところで勝負する、というのは「美」の価値観にも反映されているのでしょうか。

そうですね、ぱっと見て綺麗な顔はいくらでも人工的に作ることができる時代ですよね。でも、それが「心」に響いてくるかというと、そうとは限らない。ぱっと見の美しさで惹きつけられるのは、本当に一瞬で、その後、心に印象付けられるかどうかは、その人のしぐさであったり、声であったり、話の内容であったり、考え方であったり、生き方であったり、本当に内面からにじみでてくるもので決まってくると思います。なので、私は、「1時間の美」というのを大切にしています。1時間を共にすると、大体その人の本質的なところが見えてきて、その結果、心が動かされる場合もあればそうでない場合もでてきます。


―― 最近、実際に心が動かされるような「1時間の美」に出会うことはありましたか。

男性の例になってしまって申し訳ないのですが、ベネディクト・カンバーバッチという俳優がまさにぴったりです。この人はパッと見はいわゆるイケメンではないですし、スチールでも心は全く動かされません。でも、実際に出演した作品を見てみると、1時間後には、他の人ではありえない、彼にしかこの役はできない、という圧倒的な存在感を印象づけられます。シナリオの力ももちろん大きいとは思いますが、演技を通してあふれ出てくる本質的な部分が素晴らしいと思います。


―― ベネディクト・カンバーバッチを「美しい」とすると、「美」の新しい捉え方ができそうです。

「美しさ」というのは、実は固まっていないんです。これが「美」というのは歴史的にみても基準はなく、それは時代の流れに沿って、変わっています。同じものであっても、それを美しいと判断するかどうかは、環境であり、周りなんです。今の時代の「美しさ」というのは、ぱっと見ではわからないが、中から出てくるものによって、それが人の心を動かせるかどうかで決まるといえるのではないでしょうか。それはとらえ方によって一人ひとり違っていて当たり前なので、あらゆる「美」が存在しうるのが今の時代の特徴という気がします。


―― 中野さんが理想とする大人の女性像もあれば教えてください。

大人の女性という枠を既に超えているかもしれませんが、フランスの大女優、ジャンヌ・モローです。「クロワッサンで朝食を」という映画に80歳を超えたジャンヌ・モローが出演しているのですが、最初は正直、「あのジャンヌ・モローが・・・」と現実を突きつけられたようでショックでした。しかし、いまを偽りなくさらけ出す、現在の自分に言い訳をしないかっこよさというか、その潔さが本当に美しかった。

同年代では、「水の流れを感じさせる人」でしょうか。水が環境に応じて、いかようにも形を変えて周囲を潤しながら流れていくように、心にも身体にもたえず清らかな水が巡っていて、それが外にもにじみ出ているような人です。一ヶ所にしがみついて淀んでしまうのではなく、絶えず流れてフレッシュでありながら、本質は常に同じものとして安心感を与えるような存在は目標でもあります。

肌ひとつとってもそうですが、みずみずしい肌は透明感があって美しいですし、ツヤっぽさや色気というのもすべて「水」から派生していると思うんです。YON-KAでも水はキーワードになっていますよね。本質がしっかりとあるブランドだからこそ、常にフレッシュでいられる、というのは人間と同じですね。清らかな水が流れているような空間や人は、周囲を自然と癒すことができる力をもっていると思います。

< ①を読む    ③に続く >


PROFILE:
エッセイスト 中野 香織

明治大学国際日本学部特任教授。
東京大学大学院修了、英国ケンブリッジ大学客員研究員を経て、文筆業に。フリーランスの服飾史家として活躍中の2008年、明治大学が国際日本学部を創設するにあたり、特任教授に就任。ファッション史や最新モード事情から人間の心理や社会を照射するエッセイに定評がある。ダンディズム、ジェントルマンシップに関する歴史研究においては第一人者。

著書『モードとエロスと資本』(集英社新書)、『ダンディズムの系譜 男が憧れた男たち』(新潮選書)、『愛されるモード』(中央公論新社)、『スーツの文化史』(『スーツの神話』(<文春新書>Kindle版)ほか多数。翻訳『シャネル スタイルと人生』(文化出版局)ほか、『英和ファッション用語辞典』(研究社)の監修も。新聞・雑誌・ウェブ連載記事を月に7~8本書くほか、講演、トークショー、各種メディア出演多数。百貨店、美容院グループなど企業の研修講師も務める。最新監訳書『シャネル革命の秘密』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)発売中

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